ロシアのサッカーファンクラブが黒人とゲイに対するヘイトスピーチ

ゼニトファンがクラブに要求 「黒人とゲイをチームに入れるな」 - Goal.com

ロシア王者ゼニト・サンクトペテルブルク最大のファンクラブが、黒人選手と同性愛者をチームに入れないようにクラブに求めた。クラブはこれに対して距離を置いている。

「ランドスクローナ」は自らのウェブサイトで、クラブに対する要求を掲げた。彼らは自分たちが差別主義者ではないと強調しつつ、同性愛者のチーム加入を求めないとし、黒人選手についても次のように主張を掲げている。

記事では、黒人選手に関してはウダウダとエクスキューズしてありますが、同性愛に関してはノータッチですね。その前に、セクシャリティを公表してプレイするフットボーラーいるのかよ?とも思いますが。ロシアじゃあしょうがないか。だって、おそロシヤだから。

というのは冗談で。

サンクトペテルブルクはロシアの昔の首都、レニングラードという名前だった都市です。この街では、アンチ同性愛者の議員が中心となり、同性愛に関する条例を可決しました。内容は、公共の場所で同性愛を公言することを禁止する条例。

日本では、ロシアで反同性愛法が可決した、と理解している人が多そうだったのですが、ちょっと違います。サンクトペテルブルクという都市の条例で、反同性愛法ではなく、公共の場所で同性愛を公言するな、という条例です。私は、じゃあ家で個人的に同性愛行為をするぶんには問題ないよね、と理解していました。

マドンナさんがこれに対して声を上げて、ステージで声明を発したことで告発されたことでも有名です。丁度Pussy Riot事件も起きたころで、「プーチン政権はバンドの表現の自由を奪い、同性愛を禁止している」といった具合に、これらをごっちゃにして理解している人もいました。でも、ちょっと違います。

同性愛はロシア人のタブー

ロシアはアンチ同性愛でけしからん、と短絡的に理解できるものではないと思います。

まずロシア正教ではタブーとされています。以前読んだ新聞記事では、ロシアの国民の6割くらいが同性愛をタブーと考えているらしい。(参照)
もっとも、ロシアのメディアをどのくらい正直に信じていいのかは別問題だね。

マッチョイズム全盛。マッチョな魅力のプーチン氏が人気であることからもわかりますが、男性は男性らしく、強く勇ましくという文化がとても強い国です。感情を表したり、泣いたりすることはロシアの男性にはあり得ないこと、という話を聞きます。

米国にはゲイリブみたいな活動がありますが、その手法で理解したり解決しようとしても、その前に米と露では文化的基盤が全然違うので、難しいことだと思います。同じ大国同士を比べても、中国のほうがよっぽど同性愛に寛容で、ロシアは保守的すぎてなかなか難しいイメージがあります。

サンクトペテルブルクは、恐らく保守的なロシアの中でもさらに保守的な街なのではないでしょうか。ただロシアの人口は、1億数千万人ですよね、かなりの数の同性愛者は存在しているはずです。

サッカーファンってネオナチ?

どうも、東欧あたりだと、サッカーのファンクラブとかファンっていうのが、ナショナリスト(ネオナチと言われる人たち)とかぶってるみたいなんですよね。サッカー絡みで乱闘騒ぎを起こしている集団の写真を見ると、たいていスキンヘッドで革ジャンの団体だったりして、なるほどと思う。そういう人たちがゲイ嫌いって公言するようなことは、まーありがちなことだと思います。ゲイだけじゃなくて、そもそも移民とか外国人とか色々と嫌いなものが多いんですよ、彼たちは。

参考リンク
http://news.nna.jp/free_eu/news/20111118rur608A.html
http://roshianow.jp/articles/2012/10/01/39245.html