移民の看護師が自殺した事件

http://mainichi.jp/select/news/20121212ddm007030124000c.html

英国:キャサリン妃問題 看護師自殺 「冗談のつもりが…」DJ涙の謝罪
毎日新聞 2012年12月12日 東京朝刊

【ジャカルタ佐藤賢二郎】英王室のキャサリン妃(30)が入院していたロンドンの病院に偽電話をかけたオーストラリアのラジオ局ディスクジョッキー(DJ)の男女2人が10日、地元テレビのインタビューで、電話を取り次いだ女性看護師(46)が自殺したとみられることについて謝罪した。

 2人は「本当に取り次がれるとは思わず、冗談のつもりだった」と釈明。「(看護師の)遺族に申し訳ない」と涙ながらに謝罪し、「胸が張り裂ける思い」と語った。

この事件、なんと可哀想な看護師の在りし頃の写真を見ると、インド系の人だった。それで色々と納得できた。

英国というとシニカルなジョークを好むお国柄で、過去にもこういうことが。

過激な英国のジョークに非難
http://www.news-digest.co.uk/news/news/in-depth/7541-comedians.html

まずBBCのお笑いクイズ番組「QI」。昨年末に放映されたこの番組の中で、司会役のスティーブン・フライが、広島と長崎で二重被爆した後に93歳で亡くなった日本人男性を「世界一運が悪い男」として紹介した。そして「93歳まで長生きしたなら、それほど不幸ではない」

今回は仕掛けたのはオーストラリア、仕掛けられたのは英国だったわけだけれど、ともにこういう文化を共有する同士と考えると、仕掛けるのが英国、仕掛けられるのがOZっていうことも、あり得る話だと思う。

お互いに悪辣なジョークを文化として共有する同士だったら、まぁこういうことがあっても、あるよね、で済ますことができると思うのだけれど、渦中の看護師が自殺というニュースがあり、自殺はちょっとやりすぎじゃないの??と思っていた。

でも、自殺した看護師が移民の中年女性で、しかも責任感の強いインド系ということで、悲しいことだけれど納得できてしまった。

移民として生きてゆくというのは結構大変なことで、人一倍まじめにしないといけないし、人一倍がんばらないといけないものだ。失敗をすれば「これだから移民は駄目だ」と言われるんだもん。この女性も中年になってからインドから英国に移住して、まっとうに職務をこなしてきたんだと思う。

また、インド人はあまり自殺をタブーと思っていないと聞いたことがある。ご主人に先立たれた奥さんが、ご主人と運命をともにするために、焼き場の火に身を投げる行為も最近まで普通のことだったそうだ。

英国と奥州が過激なジョークを共有しているのは彼らの勝手だからいいとして、そこにロールとして巻き込まれてしまったのがインド出身の移民の女性だったことが悲劇なんだなぁと理解することができた。

移民を受け入れるっていうことは、自分がジョークと思っていることをジョークと思っていない人が社会に混ざるということだし、価値観の違う人を擁する社会は、それだけ繊細にならないといけないものだ、と思いましたね。

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